所長メッセージ

 所長メッセージ

MESSAGE

 DXの進展、少子化、高齢化、国際化等、社会の大きな変化の中で、学校の学びが問い直されています。それに対して施設環境の在り方が課題として広く認識されるようになっています。
 主体的・協働的・探究的な学習を目指して、GIGAスクール環境を生かしながら、自由度の高い教室空間・図書室・特別教室・教職員スペース・運動施設等について未来思考でとらえ直し、学校全体を学びと生活の場とすることが求めれています。また、ネットワーク化、義務教育学校や幼小中高の一貫教育、地域施設との連携や複合化、エコスクールとしてZEB化や低炭素化、木材の活用、長寿命化改修等、多くの課題を前にしています。
 どこかに正解があるわけではありません。個々の学校、地域ごとに答えを見出していく必要があります。そのためには、教職員、地域の人々、保護者や子どもたち、学校支援者など、関係者が夢や想いを語り合い、課題や目標を共有する計画プロセスが不可欠です。参画を通じ、当事者として完成後の教育実践や学校運営、学校支援等に積極的な取組が生まれ、ソフト・ハードを合わせて生き生きとした学校になります。学校の役割、地域の将来を皆で考える絶好の機会として、学校づくりをとらえることが大切です。それは安全・安心で、誰にも生きる喜び、学ぶ幸せが感じられる“ウェルビーイング”な学校の実現につながります。

 教育環境研究所は発足以来、30年以上にわたり学校の研究や学校づくりに携わってきました。その成果は研究誌「アイ・スパン」やホームページ等を通し広く発信し、今日まで学校の変革や教育環境の充実に微力を尽くしてきました。今後も一層の努力を重ね、学校施設を中心としながら、生涯学習施設や子育て支援施設・高齢者施設等の社会福祉施設まで含め、地域の拠点づくりという観点から活動を続けてまいります。

所長 長澤 悟

 

   
長澤 悟
東洋大学名誉教授。 工学博士。
東京大学工学部建築学科卒業。 同大学院博士課程修了。
東京大学助手、 日本大学工学部教授。
東洋大学理工学部教授を歴任。専門は建築計画学
(学校建築、地域施設)、設計。教育方法の多様化、学校と
地域の連携、木材の活用等に関する研究を行うとともに、
教職員・地域住民・児童生徒が参加するプロセスにより、
全国各地の学校づくりに関わる。

 

主な受賞作品

2022年 こども環境学会デザイン賞
2022年 日本建築家協会東北建築大賞
2015年 日本建築学会連合会賞 
2010年 日本建築学会作品選奨  
2008年 日本建築学会作品選奨
2006年 日本建築学会作品選奨
2000年 日本建築学会賞[業績]
1998年 第18回福島県建築文化賞準賞
1991年 日本建築学会賞[作品] 
1986年 日本教育研究連合会表彰      

【カリタス幼稚園】
【 岩手県陸前高田市立気仙小学校】
【新潟県糸魚川市立糸魚川小学校・ひすいの里総合学校】
 【広島県府中市広島県府中市立府中小学校 ・ 府中中学校】
【福井県坂井市立丸岡南中学校】
 【山梨県昭和町立押原小学校】
【福島県三春町の一連の学校計画】
【福島県棚倉町立社川小学校】
 【長野県浪合学校】
(オープンスクールの発展への貢献)

主な著書

『第4版コンパクト建築設計資料集成』、丸善、2024
『新しい学校はこうしてつくる』、flick studio、2017
『建築設計資料105学校3』、建築思潮研究所、2006
『コンパクト建築設計資料集成』、丸善、2005
『スクール・リボリューション』、彰国社、2001
『やればできる学校革命』、日本評論社、1998