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【先進事例紹介】 田園調布学園 中学部・高等部 改築基本計画・計画指導

キーワード
    • ゆとりを確保したコンパクトな構成
    • コミュニケーション空間の充実
    • 都心におけるエコスクールのモデル


○計画の経緯

 田園調布学園 中学部・高等部は、大正16年創立の私立女子中高一貫校です。建学の精神「捨我精進」のもと、健全な女子の育成を目的とする知・徳・体の調和した教育活動を進めています。老朽化した校舎の建て替えにあたり、基本計画を当研究所が担当しました。学園の目指す教育目標を理解した上で、教職員から現状の課題と要望を確認し、計画の理念と目標を策定し、計画を立案しました。さらに、設計者が決まった後は、設計者と共同で具体的な内容検討に取り組みました。

  
  校舎全景(環八通り側):存在感のある環八側のファサード。学園の顔。 


○学校の特色

■ゆとりを確保したコンパクトな構成

 運動場が別敷地にあるため、建蔽率、容積率ともに厳しい条件の中で、私立学校の設置基準を満たす必要がありました。そのため、幹線道路に面するなど、厳しい敷地条件の中で、総合設計制度を採用し、容積率と高さ制限の緩和を受けて必要床面積を確保しました。公開空地を確保するためには、地下も利用した高層化が不可欠でした。その制約の中で、学校としての一体感とゆとりを確保するため、3層吹き抜けのアトリウム空間を中心としたロの字構成のコンパクトな平面計画となっています。

  
  プラザ(アトリウム):学校空間の中心となるスペース。学園祭などイベント
                               も行ないやすい。
 


■コミュニケーション空間の充実

 プラザと名付けられたアトリウム空間を中心として、教室は学年毎にまとまりを持たせて各階に配置するとともに、教室前を学年のコミュニケーション空間としてゆとりを確保しました。学年配置の重心となる2階のプラザに面した位置に、吹き抜けの図書館を配置し、学園の学習・生活の中心としています。その他にも、カフェテリアやインターネットにも繋がるコンピュータを置いたメディアラウンジ、校務センターの前には相談ラウンジなど、多様なコミュニケーションを誘発する場所を可能な限り確保しました。

  
 図書館:吹き抜けの気持ちの良い図書館。 図書館:吹き抜けのプラザを見渡せるブラウジングスペース。   
  
 普通教室:光環境、視環境に十分配慮した教室。

 相談ラウンジ:校務センター前に用意された生徒と先生とのコミュニ
          ケーションコーナー。 
  


■都心におけるエコスクールのモデル

 100年学校を目指し、十分な耐震性能を持つ構造、柔軟性と拡張性を確保した設備・情報システムを採用しています。またコンクリートが劣化しにくい外断熱とするとともに、時間を経て味わいが生まれるレンガを外装に使用しました。 東の住宅地に対する日照の影響に配慮し、東側は階段状に階数を下げ、それを生かして屋上庭園を設けて、公開空地の緑化とともに地域の環境向上に貢献しています。 設備としては、600トンの雨水貯留層を確保した中水利用、縦排水管を利用した水力発電設備を導入し、環境教育教材としても活用しています。 また、情報LANと設備制御ネットワークを統合したビルエネルギーマネジメントシステムを採用し、省エネを目的としたエネルギー管理を行なっています。データベースは環境教育教材として活用できます。

 屋上庭園:「グリーンブロック」を使った屋上緑化により、屋根の防水対
        策が軽減された。 
 水力発電:空調循環水の落下エネルギーを利用した日本初の水力発
        電設備が備えられている。 


[概要]

所在地:東京都世田谷区
学級数:30学級
基本計画:長澤悟・教育環境研究所
  西村建築スタジオ
家具計画:長澤悟・教育環境研究所
設   計:近藤道男建築設計室
竣   工:2004年12月